ガス・ヴァン・サント監督の映画『ミルク』をみた。
ゲイで初めて、政治家になったハーヴィ・ミルクの物語。
ウディアレン『ギタリストの恋』とは、まったく反対の役柄を
熱演するミルク役のショーン・ペンに感動する。
世の中でマイノリティとして扱われてる、弱者の声を世界に届けた英雄ハーヴィ・ミルク。
この映画をみるまで、ハービィ・ミルクを知らなかった。
70’~80’sのゲイカルチャーといえば、
ラリーレバン『パラダイスガレージ』が思いつくくらいだった。
小さな街角からはじまった活動が、国を変えてしまうミルクの情熱に感動する。
負けても負けても、社会的弱者のために何度も立ち上がる。
でも、なかなか人間ってものは、自分がいる現実を変えるのが怖いから立ち上がれない。
最近、身の回りに起こることや読んだ本から考えさせられたことがある。
『今、自分がいる現実を作り出しているのは、すべて自分の感情が望んでいること』ということ。
例えば、ネガティブな面。
辛い・苦しい・痛いと感じることも、本当の自分は、苦しんでいたいと思っているから
今の現実に起きている。
ポジティブな面のほうが、なんとなくわかり易い。
「ポジティブに考えよう!」とは、よく言われることだ。
どちらも分けて考えることはないと思う。
だって、ネガがあるからポジがあるわけだし。
感情が作り出す現実ならば、自分に100%責任をもつべきである。
誰かのせいに、何かのせいに、理由をつけて、言い訳していれば、
いつまでも『そこ』に留まり続けることになる。
そんな渦巻きの中にいては、自分がどこに立つべきなの見ることは難しい。
半歩でもいいから、下がって観るとわかることがある。
一つところに止まることができなければ、『正』しいと言えない。
ということを、デモ行進したくなる映画だった。
それにしても、ジェームス・フランコのまぶしそうな笑顔に卒倒する。